CFRP・CFRTPの主要成形工法と技術的特徴
2025.12.27
2025.12.27
2025.12.27
技術情報
炭素繊維強化プラスチック(CFRP)は、その圧倒的な軽量・高強度特性により、宇宙航空分野から自動車、産業機械、スポーツレジャーまで、金属代替材料として採用が広がっています。
しかし、製品の「要求性能」「生産数」「コスト」に最適な選択をするためには、マトリックス樹脂(熱硬化性・熱可塑性)と繊維形態(連続・不連続)の組み合わせ、そしてそれに付随する成形工法を正しく理解することが不可欠です。
本稿では、実用化されている主要な工法を体系的に解説します。
まず、炭素繊維を固める樹脂の性質によって、大きく2つの材料に分類されます。
エポキシ樹脂やフェノール樹脂などが代表で、熱をかけると化学反応で硬化し、一度固まると再溶融しません。
PP、PA、PPS、PEEKなどの樹脂を用い、熱をかけると溶け、冷やすと固まる性質を持ちます。
「不連続繊維」は、数ミクロンから数十ミリにカットされた炭素繊維を使用します。
樹脂と共に流動するため、複雑な形状を効率よく量産するのに適しています。
炭素繊維を練り込んだペレットを溶融し、金型へ高速注入します。
繊維長が短い(ショート/ロング)ため、リブやボス、ネジ穴などの複雑な三次元形状を一度に成形できます。最も量産性に優れた工法です。
数センチの繊維をランダムに散らしたシート状の材料をプレス機で圧縮します。
射出成形よりも大きな部品に対応でき、金属プレスに近いサイクルで成形可能です。
繊維がランダムなため、方向による強度差が出にくい利点があります。
「連続繊維」は、繊維を切らずに長いまま配置します。炭素繊維が持つ本来のポテンシャルを100%引き出し、金属を凌駕する比強度を実現します。
繊維のクロス(織物)に樹脂を含浸させ、積層して硬化させます。
繊維の並びを設計通りに制御できるため、極めて高い強度を実現します。
航空機の主翼や車体フレームなど、高度な安全性が求められる構造体に使用されます。
連続繊維のCFRTPシートを加熱軟化させ、プレス機で一気に成形します。
連続繊維の強さと、熱可塑性樹脂の速さを両立させた、次世代の量産工法として注目されています。
| 分類 | 代表的な工法 | 繊維の形態 | 強度・剛性 | 量産性 | 形状自由度 |
|---|---|---|---|---|---|
| 熱可塑性 | 射出成形 | 不連続(短・長) | ★★☆☆☆ | ★★★★★ | ★★★★★ |
| 熱硬化性 | SMC成形 | 不連続(中) | ★★★☆☆ | ★★★★☆ | ★★★★☆ |
| 熱可塑性 | スタンプ成形 | 連続繊維 | ★★★★☆ | ★★★★☆ | ★★☆☆☆ |
| 熱硬化性 | RTM成形 | 連続繊維 | ★★★★☆ | ★★★☆☆ | ★★★☆☆ |
| 熱硬化性 | オートクレーブ | 連続繊維 | ★★★★★ | ★☆☆☆☆ | ★★☆☆☆ |
CFRP/CFRTPの活用において、どの工法が最適かは、製品に求められる「構造的強度」と「生産コスト」のバランスで決まります。
近年では、連続繊維で骨格を作り、不連続繊維の射出成形で複雑形状を付与するハイブリッド成形も普及しており、設計の選択肢はさらに広がっています。
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